趣味のくずかご

君の名は。矛盾点の考察と感想と。

君の名は。見てきました。

小説版も読んだ上での感想・考察ですが、映画はまだ一度しか見ていないので的外れな部分があるかもしれません。
ネタバレを含みますので、一応数行空けときます。

 

 

 


「君の名は。」予告

 

 

 

感想

2人の男女が困難を乗り越え、最後には結ばれるハッピーエンド。……完璧なハッピーエンド。新海誠監督の過去作と比べて万人向けの映画になってるなぁと感じました。

風景描写は息を飲むほどに美しく、これだけでも映画館で見る価値があります。

ただ、時系列とか設定とか整理しながら見てしまう人(私)にとっては納得がいかない部分が多々あり、途中から喉に小骨が刺さったような気分に陥ります。監督は違いますが、同じタイムリープものである『時をかける少女』と同様で、演出を優先するあまり細かい矛盾を軽視しすぎじゃないでしょうか。もうちょっと何とかなると思うんだけどなぁ。

別に矛盾を完全否定するつもりは無くて、例えば「山頂で瀧と三葉が出会うシーン」なんかは良いと思うんです。入れ替わり中の奇跡とも考えられるし、それを言い出したら入れ替わりの現象自体に説明がつかない!とかなってしまいますからね。

意図してスペルを変えることは文章を引き立てるけれど、意図しないスペルミスは邪魔者でしかない。そんな感じです。

以下、映画の感動に水を差すかもしれない考察が並んでいますのでご注意ください。

 

(9/2 追記) 以下の考察で3つの疑問点を挙げていますが、全て納得する答えを得ることができました。

あと誤解を招かないよう書いておくと、私はこの映画が大好きです。
決して矛盾点ばかりを考えている訳ではないです。良い点も悪い点も、とにかくこの作品の全てを理解したい。「悪い点には目を瞑る」ではなく、「悪い点も含めあらゆる点について考える」。好きってそういうことじゃないかな

「なぜ、良かった点を記事にしないのか」と言われそうですが、良い点があまりに多すぎて何から書いていいか分からないのと、書かなくてもみんな分かってるだろうという確信があるので記事にする必要性を感じないからです。

 

考察

3年もズレてたら普通気づくだろ

物語の中で、入れ替わりはあくまでも「夢のようなもの」であり、現実に見る夢と同様に、時間が経てばその記憶は薄れてしまいます。西暦がおかしくても、日付と曜日の対応がおかしくても、そこまで気にならないのかもしれません。

しかし、三葉が東京に行く場面。

その日は、瀧が奥寺先輩とデートの約束をした日(本当は3年後の同日なんだけど、三葉はそう思っている)朝から丸一日デートなので間違いなく休日でしょう。ところがこの日、三葉は学校を休んでるんですよね。つまり平日。3年の時間差があるから日付は同じでも曜日は違う。

さすがに気づけよ!

それと、三葉は東京で瀧と出会うんですが、まだ瀧は14歳の中学生。

さすがに気づけよ!

……この辺りはちょっと作りこみ甘いなぁと思ってしまいました。

 

(9/2追記) 解決しました。

日付超えちゃったけど記事にまとめました。

 

初回の入れ替わりの演出がおかしい

初めて三葉が瀧として生活する日。学校やバイト先の場所、人間関係などが全く分からず、周りの人間もそれを不審に思います。まあ、当然でしょう。

そんな波乱の一日を終え、ベッドに横になる瀧(三葉)。ふと、あることを思い出します。

国語のノートに書かれた「お前は 誰だ?」の文字。

 

……ん?

その文字を見つけたのは昨日だから、三葉(瀧)がその文字を書いたのは一昨日のはず。その日は当然三葉も瀧として生活していたはずだ。

映画ではどうだったか覚えてないけれど、小説版にはそのことをうっすら思い出す記述があります。つまり初日のように描かれているこの日は2回目の入れ替わりだったというわけ。いやいや、初日はどうやって乗り切ったんだよ。

 

(8/28 追記) 記事を書いてから、3年後の世界は入れ替わり初日=休日だったという可能性に気づきました。それなら(三葉が初回のことを忘れていれば)矛盾はしませんね。

 

最後の入れ替わりでの時間差

これに突っ込むのは野暮だと言われそうだけど。

瀧がご神体の前で転んだ瞬間、三葉との入れ替わりが起き、彗星が落ちる前(当日朝)の三葉と入れ替わります。ところが、代わりに瀧の身体で目覚めた三葉は「夏祭りの夜、落ちてくる彗星を見て……それは間違いなく昨日だ」と言っています。つまり、彗星が落ちた後の三葉なんですよね(既に死んでるけど、それは問題じゃない)
”入れ替わり”なんだから、瀧の身体に入るのは彗星が落ちる前の三葉でないと不自然です。

別にこの時の三葉に彗星が落ちた日の記憶が無くても問題ないように思いますが、「私、あの時、死んだの……?」というセリフを言わせたかったんでしょうか。

 

(9/2 追記) コメント欄にてR-GRAY様より納得の考察をいただきました。ありがとうございます。

 

以上、誰も得しない考察でした。
こういう細かい点はどうしても気になってしまうので、作りこむなら設定も完璧に作りこんでほしいなぁと思います。

(9/2 追記) 矛盾点が無くなったので自分の中で文句のつけようが無い傑作になってしまいました。あと3回は見たい。

 

(8/28)(9/2) 若干の加筆・修正をしました。