趣味のくずかご

君の名は。時系列の検証から矛盾点を紐解く。

【2017/07/25 追記】

BD特典のブックレットに日付に関する記載がありました(他媒体で既に出ていたらすみません)。

  • 2人の入れ替わりは同じ月日で起こっている。
  • 瀧と奥寺先輩のデートは2016年10月3日(月)

 

つまり、

「こまけぇこたぁいいんだよ!!」

ってことです。

 

まあ薄々感じてはいましたが、そもそも整合性をとろうなんて考えていなかったわけですね。スッキリしました。ありがとう監督。

というわけで、一応記事の方は当時のまま置いておきます。物好きな方はどうぞ。

【追記ここまで】

 

君の名は。最初に観た後、どうしても気になった矛盾点を記事にしました。

 

 

中でも一番疑問に感じたのが、以下の場面です。

瀧と奥寺先輩の休日デートが気になり、平日学校を休んで東京に行ってしまう三葉。

気になった人も多いんじゃないでしょうか。入れ替わり中の記憶は曖昧になってしまうとはいえ、瀧が朝からデートしてるはずの日に自分が学校をサボっていることへは間違いなく違和感を覚えるはず。

新海監督がそこまで考えていなかった。と捉えるのもひとつの答えではありますが、ひたすら考えていた結果、強引ではあるものの何とか納得できる答えにたどり着きました。

 

 

まずは時系列の整理から。

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2013年

9月上旬

三葉:2016年の瀧と入れ替わり開始

10月3日(木)

三葉:瀧に会うため東京へ。14歳の瀧に組紐を渡す。糸守に帰り、髪を切る。
瀧:17歳の三葉から組紐を貰う。ミサンガとして身に付けるようになる。

10月4日(金)

三葉:学校を休む。夕方からお祭りに参加。落下する彗星を目撃し、絶命。
瀧:自宅の外で彗星を眺める。

10月4日(金) - 再演

瀧:朝、三葉の身体で目覚める。学校へ行きテッシー・サヤちんとテロ計画避難計画を実行。カタワレ時、入れ替わり終了。三葉と出会い、組紐を渡す。
三葉:入れ替わり終了後、町長を説得し避難計画という名目で町民を救う。

2016年

9月上旬

瀧:2013年の三葉と入れ替わり開始。

10月2日(日)

瀧:奥寺先輩とデート。この日以降入れ替わりが起こらなくなる。

10月下旬?

瀧:三葉に会うため糸守へ。彗星落下について知る。

翌日

瀧:ご神体へ。口噛み酒を飲み、三葉の記憶を共有する。3年前の出会いを思い出す。三葉との入れ替わりが起きる。
三葉:ご神体の前で、瀧の身体で目覚める。彗星落下後の糸守を見て、自分が彗星の落下によって死んだことを悟る。カタワレ時、入れ替わり終了。瀧と出会い、組紐を受け取る。
瀧:入れ替わり終了後、三葉に関する記憶を失い、山頂で夜を明かし帰路につく。

 2021年

10月4日(月)

瀧:就職活動中。奥寺先輩と再会。

数年後

瀧と三葉が出会う。エンディング。

 

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本筋からは逸れますが、気になるのが赤文字の日付。

普通に観ていたら気づかないし気づく必要もないことだけど、三葉は10月3日にデートがあると思って東京に行ったのに、瀧と奥寺先輩がデートしたのは10月2日だった。

つまりこの前日、10月2日の三葉は10月1日の瀧と入れ替わっていた

 

 ~以下日付の考察なので読み飛ばし推奨~

彗星落下日(お祭りの日)が2013年10月4日(金)であることは劇中で何度も出てくるので明確。

三葉が東京に行った日付は、四葉の「昨日は急に東京に行ってまうし」というセリフ(小説版だと177ページ4行目)から前日の2013年10月3日(木)と分かる。ちなみに日帰りであることは小説版151ページ6~8行目に記載あり。

デートの日付は、瀧のiPhoneにチラっと表示があることと、2016年10月2日が日曜日であることから確実(デートが休日であることは小説版96ページ7行目に記載がある)また、瀧の携帯のメモに「明日はデートだよ」と書かれているので、直近の入れ替わりはデート前日に起きていたことも分かる。

デートは休日にする必要があり、お祭りも休日もしくは金曜日でないと不自然なので、3年差だと1日違いにすることが不可能にも思える。が、この翌週には体育の日があるので、デートの日を2016年10月10日(月祝)にすれば、2013年10月11日(金)と1日違いにすることは可能だった。

~日付の考察ここまで~

 

作品上では「入れ替わりは同時刻に起きている」というミスリードが張られている(ように見える)ので、てっきり日付は同じものだと思っていたけれど、そもそも入れ替わりは同じ日付同士で起こるものでは無かった。曜日がズレるからおかしい、なんて、見当違いの考察だったわけですね。

 

さて、ここでデート直前の入れ替わりに注目すると、2013年10月2日は水曜日。平日です。にも関わらず、三葉と入れ替わった瀧は朝からご神体へ口噛み酒の奉納に行っている

 

なぜでしょう……?

 

おそらく、この日は地域独自の休日か何かで町全体がお休みだったと考えられます。「ご神体へ捧げ物を持っていく日」と書かれているので、祭日のようなものでしょうか。他の地域では当然平日なので、三葉と入れ替わった瀧が制服に着替えてしまったのも納得ですね。

もし糸守で、こういった「地域独自の休日」がありふれたものだったとしたら。

特に、入れ替わりの影響から “今日はデートのはず” という強い思い込みがある中で、「自分の町は平日だけど、相手の町は休日かもしれない」と、自然に考えることができたとしたら。

三葉が何の疑問も感じず東京へ行った理由の説明になるように思うのです。ちょっと強引か。

 

また、私は関西で育ったため知らなかったのですが、関東には県民の日とかいう地域独自の休日がありますよね。

都民の日 - Wikipedia

埼玉県民の日 - Wikipedia

千葉県民の日 - Wikipedia

都民の日が10月1日と、問題の日付に妙に近いあたりも考察の余地はありそうです。

 

 

以上、疑問が解決してスッキリしたところで、私の考察記事は終わります。

週末は3回目の鑑賞かな。

 

(9/4 追記) たくさんのコメントありがとうございます。
考察は小説版と劇場版の両方をソースに進めておりますが、小説版と劇場版は完全に同一ではなく、それぞれにしか無いシーンやセリフ、説明が多くあります。演出上曖昧な部分も多いため、捉え方によって解釈も変わってくると思います。この記事の内容はあくまで私個人の考えであることをご了承ください。