『沈黙のパレード』文庫版を買った。
ガリレオシリーズ最新作として来年には映画化もされるらしい。評価も上々のようで早速読みたいのだが、これまでの内容をよく覚えていない。調べてみると前作が出たのは6年も前だった。
もちろん話は独立しているので忘れてても支障をきたすことは無い。ただ、せっかくの機会なので既刊を読み返してみることにする。
今週読んだ本
というわけで『容疑者Xの献身』を読んだ。
"思い込みによる盲点をつく"トリックに翻弄される警察。その様子を眺める読者はもう一つの思い込みーーこれは倒叙ミステリだという盲点に嵌まるよう仕組まれている、美しい二重構造。加えて、真相に苦悩するガリレオ湯川の選択と明かされる動機があまりにも切なく胸を打つ。
自分の中では『白夜行』『秘密』と並んで東野圭吾最高傑作の一つ。この作品に限っては内容もほぼ覚えていたが、それでもクライマックスでは目頭が熱くなってしまい、凄まじい小説だなと改めて感じた。